東京駅前の交差点

Uber Eats配達員だけど自転車の交通ルールって具体的に何を守ればええんや。

最近は配達員が増えて危険運転とかいわれてるし自分だけでも学ばなあかんと思って。

今回は自転車でUber Eatsの配達員をしている人に向けて、現役配達員が「これだけは守ったほうがええんやない」と思う交通ルールをつらつらと書いていきます。

Uber Eats配達員はいつも見られている

さて、Uber Eatsがだんだんと利用されるようになってきてあのクソデカバッグを見かけない日はなくなりました。

配達自体は原付でも配達用の軽自動車でもOKですが大半は自転車勢です。

するとどうでしょう、ただでさえ「暴走自転車」とか煽られてた自転車があのクソデカバッグを背負ってさらにパワーアップしたんですね。

「暴走自転車withクソデカバッグ」みたいな。

自転車へのバッシング自体は定期的に起こるものでUber Eatsだからというわけではないですが、あの目立つ格好でアクロバティックな運転をキメるとやっぱり目立ちます。

なので今日はちょっと自転車の交通ルールこれだけ守っとけば安心!!的なことを考えていきます。


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はい守って、どうぞ。交通ルール13か条。

ここからは実際に配達していて感じたことをベースにリスト形式で書いてまいります。

歩道は爆走するでない

自転車は原則車道というのはよく知られているもののよくある解釈のマジックで「交通状況からやむを得ない場合」は走ってもいいことになっています。お巡りさんもそれをよく知っているのであれだけ自転車が歩道を走っていても何も言われません。

しかし歩道を走るときは「車道側を徐行」するという決まりがあります。

徐行です、徐行。ようは歩道で爆走するでないということです。

ウバッグならお料理は冷めにくいですし急ぐと揺れてお料理がグシャァ…という残念な状況になるので歩道はゆっくり走りましょう。

漏れそうならコンビニでも寄って、どうぞ。

ここは日本だから左側通行やで

あと配達中にときどき出くわすのが逆走どけどけマンです。

単純に危ないです、マジで。

しかもすれ違うときに逆走マンが歩道側に避けてくると左側通行をしている私が車道側に出ないといけないので「逆走してなお車にぶつかるリスクまで押し付けるのか、たまげたなあ…」となります。

海外から帰ってきたばかりで「右側通行だと思ってた」というシチュエーションもあるかもしれませんがここは日本で日本は左側通行なので左側を通行してください。

赤信号って知ってる?

突然ですが赤信号って知っていますか。

あれ、止まるんです(世紀の発見)。

ライトはつけようぜ

注文が殺到する夕方から夜にかけてはまずなによりもライトをつけましょう。

ケチッて消えかけのちっさい豆電球みたいなライトをつけてる自転車をみかけますが19時くらいになるともう見えないです。

当たり屋として身を立てる予定なら消えかけのような安いライトでガンガン飛ばすのもアリですが、善良な配達員を望むなら視認性のある明るいライトをおすすめします。

私が普段使っているライトはフロントがLEZYNE MINI DRIVE 400XL、リアがMoon ATURUS AUTO PROです。どちらもUSBで充電できるので電池代が安いのと点灯時間が長いので夜の配達でも電池切れの心配がありません。おまけに雨の日でも使えるので配達には欠かせない存在です。

自転車はフロントライトのみ付ければ良いことになっていますが、車を運転する側になってみるとリアライトのない自転車はまず見えないので死にたくないならリアライトもつけましょう。

真ん中の黒い部分がボタンになっている。近くで見ると目がくらむくらいには明るい。奥にはLEZYNEのライトがみえる。

すり抜けで泣くタクシーのおじさんもいる

よく車道を走っていると信号にぶつかって車と一緒に信号待ちをすることがあると思います。そのようなとき自転車配達勢のなかには車をすり抜けて一番前に出ようとする人もいますがあまりおすすめしません。

車のミラーはもろいんですよ。

以前港区の愛宕神社近くで右折レーンに進路変更しようとしたフィットかノートが前のトラックにサイドミラーを引っかけて見事にポロッと逝ってしまうのを目撃しました。私は自動車部品メーカーで働いていたのでサイドミラーがいかにやすく作られているかを風のうわさで聞いており納得したものです。

さて、ただでさえあの巨大なバッグを背負っているのでいつもの感覚ですり抜けようとすると車にぶつかります。

上の方で紹介した記事にミラーを2度もぶつけられた個人タクシーのおっちゃんが登場していますが個人タクシーのような高級車にぶつけたら賠償金だけでUber Eatsの売上が吹っ飛びます。自転車保険に入っている配達員は少ないでしょうし入っていても配達中の損害になると民間の自転車保険はほとんど適用外ではないでしょうか。

そうなるとサイドミラーの修理費と個人タクシーのおっちゃんが本来なら稼げるはずだった売上を補償してなおかつ自分の生活費もまかなわないといけなくなります。

このようにすり抜けはあまりにリスクが大きく、かといってすり抜けたところで自転車のスピードは知れているので配達時間の短縮にはなりません。すり抜けはおすすめしないです。

左折は歩行者を待つんや

信号が青になったらたいてい歩行者用信号も青になりますね。

そんなとき、左に曲がりたくても歩行者やママチャリが次々と渡ってくるのでなかなか曲がれないこと、結構あります。

「もうこの人波途切れんからいっちょ突撃や」

と渡っている歩行者やママチャリの間をすり抜けていきたい気持ちはわかりますがNGです。自転車なら見逃されるかもしれませんがバイク以上になると歩行者妨害で捕まります。何より視界に入っていない自転車が急に横断してくることがよくあるので単純に事故率が上がります。

ここはマクドナルド周辺で注文を待つマック地蔵のごとく、とことん無になって歩行者優先を貫きましょう。

右折は2段階やで

自転車の右折はあんまり知られていないというか、免許ある人は「原付と同じでしょ」と思うし免許ない人は「横断歩道から渡るかいっちょ右折レーンから曲がっちゃおう」と思っているんじゃないでしょうか。

最近多いのが右折レーンに入る自転車ですね。

右折レーンから一気に曲がりたいのはとてもとてもよくわかりますが自転車は基本的に2段階右折です。

2段階右折のざっくり解説

①信号が青になったら直進
②交差点の向こう側まで渡ったらその場で右にターン
③正面の信号が青になったら晴れて右折ですおめでとうございます

面倒ですがこれが最も安全な右折なので免許のない人もやってみてください。

原付でさえ2段階右折は面倒なのに自転車で2段階右折したらわりと周りの目がやさしくなります、マジで。

「早く配達するんじゃボケ~」

と気張るよりも周りのドライバーや歩行者と調和したほうが圧倒的にメンタルが楽になるので、結果として配達件数が多くなり売上アップにもつながります。

参考までに、自転車の右折は「自転車の道路交通法」サイトが詳しいのでリンク貼っておきますね。

スマホじゃなくて前を見ろ

もうタイトルの通りです。

配達にスマートフォンは必須ですがとにかく運転中は前を見ましょう。

車の事故でも多いんですよ、「カーナビに気をとられていたらいつの間にかぶつかっていた」とか。

「しょーもな」って思いませんか。

前を見ていればよけられたのに、ちょっとナビに目をやったばっかりに…チーンなんて絶対イヤですね、私はイヤです。

ナビはだいたいの方角を確認したり、近くに来た時にちゃんとした住所を見るために使って、普段は画面をオフにしておくといいと思います。

でも、慣れない土地だとそうもいっていられないのでそこはスマートフォンホルダーで固定しつつ信号待ちで都度確認ですね。

片手で持ちながら運転とか、しないですよね?

私はサイクルベースあさひで自転車を買ったのであさひブランドの2,980円スマホホルダーを使っています。

レンタサイクルだとハンドルバー固定なので高い段差だとずれるかもしれませんが、自前の自転車ならステムにねじ留めできるのでまったくずれません。風で自転車が倒れたときにやっとずれるくらい。

取り付けもかんたんなので快適に配達できています。

難点はたまに四隅の留め具が1か所だけ動きにくいことがあるくらいですね。ガチャガチャやると力業で直るのでそこまで気にならないです。

「あたし一時停止。あなたに止まってほしいの」

道路を走っているとよく止まれの赤い標識や白線がありますよね、あれは止まりましょう。

「自転車は法令上軽車両うんぬん…zzz」

という話はどうでもいいのですが一時停止をしなさいということは一時停止しないと危ない場所だということです。

「ミラーあるし余裕っしょ」

とか調子こいて時速25kmくらいで突っ込んでみたら歩行者をはねるか自転車とぶつかるか、果てはバイクか車に吹っ飛ばされるかという輝かしい未来しか待っていません。

なので一時停止のある場所はとにかく徐行して一時停止。地面を這いつくばるようにゆっくり行って両足をついて左右の確認をしましょう。

駐輪禁止に駐輪する勇気はいらない

駅周辺のお店にピックアップにいくとき、お店の前が駐輪禁止とか結構あります。

「配達するだけだし1分くらいで戻ってくるから止めちゃお」

なんて駐輪禁止に挑戦するその勇気、いりません。

だいたいそういうお店は案内図つきで駐輪場所を指定しているのでそれに従いましょう。

案内図がなければここはもう自腹を切って有料の駐輪場に入れとくと安心です、なに100円ですからすぐ取り返せます。どうしてもイヤならそのお店はマイブラックリストに入れて次から受けないように。

うしろに目はないから確認せい

これは免許ある人とない人で差が出るところだと思います、圧倒的に。

車だったらルームミラーとサイドミラーを駆使しつつ、車線変更だったら必ず死角を目視するじゃないですか。

ブレーキ踏むときだって後続車が突っ込んでこないかなぁとかミラーで確認しますし、前だけでなくうしろもよく見ます。

それが自転車になるとあら不思議、うしろという概念が吹っ飛んでしまいます。

路上駐車をかわすのにうしろを見ない自転車とか結構いますし(体感的に70%くらい)、青信号なのに交差点で歩道に戻るために急停車する自転車もいますし、「もしや、うしろに目が!?」となる場面がかなりあります。

しかし人間はうしろに目がついていないので自転車用ミラーをつけるか目視で確認しましょう。

急停車とかカマ掘られますので。どうしても掘られたいならハッテン場でどうぞ。

自転車が入れない場所もある

首都高を走るUber Eats配達員が話題になりましたが、道路には自転車が入ってはいけない場所があったりします。

どうやって見分けるのかといえば、この標識です。

自転車通行止めの標識。わりとある。

設置場所は一般道からトンネルに入っていく道や線路や川を越える高架、あと高速道路です。

だいたい手押し車マークと一緒になっています。

この標識がある道路はまぎれもなく自転車禁止なので日ごろから標識を見る癖をつけておくと回避できます。

(とはいっても警察も目の前で自転車がアンダーパスを突っ切っても取り締まらないですし、自転車業界も法律を厳しく運用されたら自転車に乗る人が減るのでそこはナアナアにしたいという大人の事情もあるのではないでしょうか)

自転車保険はあったほうがいい(一部地域は義務化)

自転車保険、入っていますか。東京都や神奈川県はすでに義務化しています。

自転車はだれでも乗れて小回りもききますが、立派な車両なので殺傷能力も高いです。

Uber Eatsは配達中に限って使える保険を用意していますが、配達していないときは保険の対象外です。なのですでに義務化している地域でなくても自転車保険に入ったほうがいいと思います。

詳しくは東洋経済の記事を一度読んでもらえたらと思いますが、火災保険とかですでに自転車保険がついてることもあるみたいなので保険の見直しをしてみてください。

まとめ

配達していて日ごろ思ったことをメモしたら13個浮かんだんですね、言いたいことが。

で、「まあなんとかなるやろ」とつらつら書いていたらついつい長くなってしまいました。

自転車は正直あいまいな乗り物です。

法整備もですが法令があっても厳格には運用されていない(運用すると歩道の自転車がほぼ全滅します)し、歩行者からは車道にいけといわれ車からは歩道に戻れといわれる存在です。

自転車レーンがやっと整備されてきましたが路上駐車でふさがれていたりしますし、そもそも東京なぞは土地が狭く地価が高いので自転車専用レーンで快適運転とかまだ先の話です。

そんなあいまいで何かと苦労の多い乗り物ですがちょっとでも上の13か条を思い出して運転できたら歩行者も車も自転車もハッピーになると信じて、私は今日も配達しています。


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